Interop 2011 でお披露目するために、厚木から幕張まで爆走してきた!
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Interop 2011 に行かれた方なら、ご覧になったかも知れませんが、その会場に突如として現れたのが、コンテナ型データセンターというか、データセンターを構成するコンテナというか、とにかく厚木から幕張まで自走してきたという、バケモノのような機械なのです。 このコンテナを大量のコンピュータによる集合体として利用するには、外部から電源を供給しなければなりませんが、太い電源ケーブルをガチャンとつなげば、それで OK です。もちろん、インターネットに接続するわけですから、ネットワーク・ケーブルもつなぎます。 それ以外には? そう、それ以外には、何もいらないのです。 もちろん、この中に詰め込まれているサーバー群には、OS をはじめとするソフトウェアが実装されている必要がありますが、そこまでの準備が完了しているなら、電源とネットワークを供給するだけで、すぐに機能してくれるのが、この IPCORE がデザインしたコンテナ型データセンターなのです。
Agile_Cat がアメリカのデータセンター動向に興味を持ち始めたのは、2009年の初めころでしたが、その時に出会ったのが、以下の James Hamilton さんの論文です。 この論文は 2007年 1月 8日に作成されており、そこから2年が経過したところで、Agile_Cat は初めて、それを読んだことになります。 いまから数えると、4年以上も昔のことですが、その頃から James Hamilton さんは、クラウド・コンピューティングの到来を予測していたかのように、ステートレスなシステムにおける冗長性を前提とした、データセンターの未来像を提示していました。その部分を、ちょっと紹介してみますね。
仮に、回復不能なハードウェア障害が50台で発生しても、1000台のシステムモジュールを前提とすれば、もともとの設計能力の 95%がまだ稼働していることになる。原則的な要件は、個別のノードにおける障害が全体的なサービスの可用性に影響を与えないように、ソフトウェアアプリケーションに充分な冗長性を実装することである。
こうしたアプリケーションにおける冗長性の問題は、ステートレスな処理ノードとして理解されており、大半のインターネット・スケールのシステムが、そのように稼働している。それ以上に難しい問題はステートフルなアプリケーションでは、ステートをディスクにセーブする場合もあれば、コール間の回復不能なステートに依存している場合もある。そのための解決策の1つは、永続性のあるステートを、シングルポイントの障害を共有しない、多数の冗長性システムに書き込むことである。おそらく、Google GFS は、この大規模スケールのデザインパターンにおいて、最も広く知られている共通の例である。
詳しくはコチラへ ⇒ コンテナ・データセンターの イ・ロ・ハ by James Hamilton
なにやら難しいことが書いてありますが、『 1台の HDD が故障したからといって、何らかの機能が停止してしまうような考え方はダメです。 それこそ、コンテナを 1台の巨大なサーバーのように捉えて、その中に詰め込まれるサーバー・マシンの、たとえば 5% くらい動かなくなっても、全体として機能するような設計をしなさい 』ということです。 そして、別のところでは、『 耐用年数を 3年くらいに設定して、その期間が過ぎたら、コンテナごと交換してしまいなさい 』とも、言っています。
たしかに、ものすごく合理的で興味深い考え方ですが、それは マダマダ先のことだと、そのときに Agile_Cat は思っていたのでした。 しかし、その年(2009年)の 4月に、世界中が飛び上がって驚くようなビデオが Youtube で公開されたのです。 データセンターに興味を持たれている方であれば、何度も見ているはずの Google Container Data Center Tour という動画です。
このビデオでは、45台のコンテナに 45,000 台のサーバーを格納し、10Mワットの電力密度を実現し、PUE (Power Usage Effectiveness) は 1.25 と言っているようで。45,000 台といっても、それは物理サーバーのことでしょうから、いくつの仮想サーバーが稼動しているのかと考えると、気が遠くなりますね。しかし、この 40 フィート・コンテナに 1000台のサーバーを詰め込むという発想は、もう既に古いものとなっており、その 2倍以上の実装密度が、現時点(2011/6)では当たり前になっています。
そして、Microsoft の Chicago や、Opera の Iceland、そして、つい先日に発表された Amazon の Oregon などで(以下、左から順に)、このコンテナ型データセンターが構築されています。 Agile_Cat の重要な情報源である、Data Center Knowledge の説明によると、それら全てのコンテナ型データセンターは、1階にサーバーを配置し、2階に熱交換器を配置するデザインになっているようです。 上記の Youtube における Google の事例とは、ちょっと考え方が異なるようですが、Google の場合は水による熱交換を行っているため、コンパクトなコンテナ(平屋を2段積み)で済んでいるようです。
その一方で、コンテナという密閉空間を用いず、もっと広大な空間にラックを配置し、そこに取り込んだ外気に乗せて、サーバー・マシンから生じる熱を逃がしてしまうという、排熱型データセンターも活躍しています。 この方式を採用し、その情報を、積極的に外部に提供しているのは、Yahoo と Facebook です(以下、左と中央)。 Yahoo の鶏小舎と呼ばれるデータセンターは、アメリカ東海岸の New York 近郊に構築されています。 また、Facebook は 西海岸の Oregon です。 当然のこととして、それぞれの気候が前提になるので、Yahoo と Facebook では、外気を用いた排熱型といっても、まったく同じ手法を用いているわけでは有りません。 また、この考え方を推進している企業として、東京の真ん中で排熱型データセンターを運用している、日本RAD(以下、右)の存在も見逃せません。
そして、今回の IPCORE の 走るコンテナ・データセンターの登場となるのですが、CBA 岩見沢 Forum の、『 広域分散・連携システムの技術基盤 』 という資料を参照してみると、Opera や Amazon とは異なり、また、水冷を多用する Google とも異なる、きわめてオリジナリティの高いデザインが施されていると分かります。 そして、その特徴は、きわめてコンパクトにデザインされ、このコンテナの屋根部分に収納された熱交換システムにあるようです。
IPCORE デザインの、コンテナ型データセンターの特徴
① 8本のラックと100Kw相当のPDUと空調装置を20フィート/コンテナに集約
② 環境が悪い屋外(-20度~40度)への直接設置が可能な内部構造
③ ISOコンナナの強固な構造と、新開発の内部構造により、耐地震性能を強化
④ 新開発の間接外気冷却装置により、業界最高性能のPUE1.1を実現
⑤ 世界唯一の商用電源(AC電源)レスでも稼動可能なデータセンター
⑥ 24×7を実現する、多種類の監視及び遠隔操作機能
少なく見積もっても、コンテナだけで、密閉空冷、開放空冷、密閉水冷、新型熱交換(IPCORE デザイン)の 4パターンがありますし、コンテナではなく、一般的な建造物にサーバーを格納する手法もあります。 それぞれの用途や、そこで許されるコストに応じて、もっとも効果的なデータセンター・デザインが選ばれていくことになりますが、その辺りの詳細については、Fhide さんのブログを参照してください。ポイントは、『設備から積み上げる方法でなく、利用方から決めて設備に落としてゆけば、おのずと設備にかけられる費用が決まり、また、てスケールアウトできるような事業モデルであれば、コンテナ単位という分かり易い事業計画が可能です。』 という、この一節です。
ISOコンテナデータセンター 始動!
ISOコンテナデータセンタの意義(その1)
ISOコンテナデータセンタの意義(その2)
そして、たまたまですが、海の向こうでは SeaMicro や Calxeda などから、Intel Atom や ARM を用いた、いわゆる低電力マイクロ・サーバーが製品化され始めています。この領域に関しては、IPCORE でも製品化を進めているとのことで、以下の特徴を持った Intel Core i7 サーバーと、Intel Atom でドライブするストレージが稼動しています。
IPCORE デザインの、マイクロ・サーバーの特徴
① 低電力仕様1uで50wを基準値、従来機の1/2~1/10
② 常温動作工業品仕様により高温(40~50℃)での連続動作可能。
③ 低電圧直流給電トライブリッド対応。 DC単一電源。
④ 遠隔制御機構 POWER-SWの on/off 及び RESET-SW を遠隔操作。
⑤ 軽量化 1u で max5kg (350kg/㎡床用) 1uで2.5kg (170kg/㎡床用)
⑥ 両面実装全てのI/Oはフロント接続。後面は排気口のみ。
⑦ 32台×両面= 64台実装しても、3.2KW。
こうした低電力型の CPU によるマイクロ・サーバーは、コンテナ型データセンターとも相性が良さそうです。 この10フィート・コンテナにギッチリ詰めたら、いったい何コアになるんでしょうね? そして、どれくらいの処理能力を提供してくれるのでしょうね! とても楽しみです。
以上、駆け足で、IPCORE デザインのコンテナ・データセンターについて、そのポジションを説明してきましたが、近いうちに設計者である品川さんにから、マイクロ・サーバーも含めてお聞きして、もっと詳しいことをレポートしたいと思っています。ーーー![]()
以下は、Interop 2011 での IPCORE データセンター・スナップ集です
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<関連>
GW プチ特集 – Data Center の 2011年 1月~4月
Data Center 2010 総集編 Agile_Cat 版





































